殤浪@サンファンドットコム

【Attention!】こちらはBL要素・18禁の内容を含みます。どうぞご注意下さい。Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 のキャラクターのカップリング推しの管理人、律による、腐向け二次創作記事中心のブログとなってます。

ブシロードのアンソロジー

一期終了後に東離のコミカライズやアンソロはあったらしいのですが、生粋の殤浪好きといたしましては殤浪が同じコマ内にいない話なんて、と興味が沸かず購入には至らなかったわけでして。

来月4月8日に、ブシロードさんからThunderbolt Fantasy Projectコミックアンソロジー宴、なるタイトルでアンソロが発売になると聞いて、しかも表紙には女のように綺麗な顔立ちの浪さんが載っていたので、これは是非とも買わねばとなった次第。

姫冠の角のバランスのせいか、猫耳美女にしか見えないよ表紙の浪さん。初めてビジュアルを見た時から、このキャラの姫冠って猫耳っぽいよなぁ、とずっと思っていたんですが、同じように考えてるひと、やっぱり大勢いるんだな、と。誕生日は猫の日になり、イラストは猫娘みたいになり。公式アンソロに猫ネタあるかしら。

今回のアンソロタイトル見て、あれ? となったんだが、タイトルに「東離劍遊紀」が入ってない。つまり、TVシリーズ1期2期だけではなくて、「Thunderbolt Fantasy Project」に属する話である、劇場版の「生死一劍」や「西幽玹歌」からもネタをひっぱってきてありますよ、という意味なんだと個人的に勝手解釈したんだがどうなんだろ。

もしかすると凜殺用心棒旅の3年間や、太歳一味西幽漫遊記、狂狷さんの宮中日記なんかが垣間見える話があるかも、と思うと、期待感大なんである。

 

それにしてもグルメ&アクションって、霹靂さんの新春特番とめちゃネタかぶってるやん、と思わずにいられなかった。新春番組面白かった。推しの最光陰さん(木偶様は北狗のほうだったが)はちゃんと出演されたし。東離組もしっかり尺を取ってもらえて、なにより台湾版の吹替の声優さんがついてたのが良かった。台湾版の声優さん達、みんな日本の声優さんの演技に寄せて来られてて違和感なくて、キャラによっては台湾版のひとの声やお芝居のほうが好きかも、とも思ってしまうほどだった。

見どころはやっぱり、殤浪愛のクッキング劇場の勝利! で。あの脚本は本当に、霹靂さん春から素晴らしいお年玉を下さってありがとう、と言いたい。浪さんが調理し、殤さんが盛り付けて味付けする、たった二分間の特急愛のマリアージュ。西幽で長らく同棲していたせいか、息もぴったり、信頼感も抜群。霹靂さんにしみじみと感謝のわいてくる、素晴らしいシーンでした。ご馳走さまでした。

 

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「懐かしいな、巫謠。」

「……ああ。」

審査員席でふたりの合作を口に運ぶ審査員を眺めながら、殤と浪は顔を見合わせた。

(「わあ、美味しそうね、いただきまーす! 」)

流石に調理時間二分、ではなかったが、かつて、旅の最中に同じようにして料理を振る舞った、彼らの仲間の女侠を思い出す。本当に、気持ち良いほどの食べっぷりのひとだった。

(「調理も味付けも最高。(巫謠が仕草や視線で合図して不患がいいぞ、って感じににっと笑って頷いてるの、以心伝心夫婦合作みたいで雰囲気が)うーん甘いわ~。」)

(「殤の旦那、そんなに砂糖入れてたかー? お熱いのは間違いねーんだろうけどよォ。 」)

 

懐かしさに目を細め、浪が珍しく口を開いた。

「振る舞う相手が気にくわぬが。またお前と共に料理ができて、嬉しかった。」

「お、おう。」

殤は照れくさそうに頭を掻き、もごもごと口ごもってから、意を決したように言った。

「なぁ、ひと働きしたら腹が減っちまった。俺達も飲みながらなんか作って食おうぜ。勝った褒美に、なんでもお前の好きなモン作ってやるよ。」

きょと、と目を開き、やがて近しい人以外にはわからないほど微かに破顔する。

「お前が作るものなら、なんでも好きだ。」

 

遠くの応援席からからそのやりとりを見て、睦天命はにっこりとしてキラキラうちわを振った。か弱い女謹製、兵器にすれば芭蕉扇にもひけをとらない強さの、不患×巫謠応援うちわである。

「ふふ、相変わらず甘いわぁ♪ 」

 

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凜殺は凜殺で、無生さん、審査員が凜さんだから張りきってて可愛くて。チーム殤浪に対し、こっちは俺ひとりで充分だ、みたいな流れになるんだけど、言い換えれば自分ひとりで作ったものを掠には食べて欲しい、てことなんでしょ。他の男の作ったものを食べて感想言って欲しくなかったんでしょ、なんだそれめちゃくちゃ愛おしいな無生さん。

凜さんは凜さんでまた、料理には優劣つけずに、「むしょうそれトンカツじゃないよね、」みたいな上げ足取りで勝敗決めるし。どこまでも、好きな相手には追いかけられたい男なんだねぇ。追いかけられて、待ち伏せされて、つれなくして、でも忘れられない程度にちょっかいも出して。あれ、それなんて一期。

怒らせて追いかけられたいけど、無生の方が不味かった、とは言わないところがもうね。そういうジェントルなところだよ、無生さんの心の殻に入り込んだのは。

 

「次はお前に正真正銘のトンカツを食べさせてやるからな! 」って冥府でエプロン姿で揚げ物修行してる無生さん健気かわいい。凜さんは東離世界じゃ暇を持て余した神々の遊びをやってるキャラだから、本編中で落命することは絶対ないと思うんだけど、もしも最後にお弁当を食べる時は、揚げ物の真髄、極意を極めた愛妻トンカツ弁当from冥府を召し上がって欲しい。

 

「ふ、……腕を上げたな無生。あの時は言えなかったが、私はいつでも、お前の作るもののほうが美味いと思っていた。あれから何を食べても、な。」

片時も離れず用心棒を務めた三年間。ときにしつこい追っ手から逃れる為に、人里離れた場所へ逗留することもあった。下働きを雇えない場合、不承不承だが殺無生がその役を担っていた。道場での下積み時代に身についたという家事の技は、無生の持つ必殺の剣技ほどまではいかなくとも、ずいぶんと彼らの臓腑の平穏を助けたのだった。

「……美味いぞ、無生。」

お前のトンカツが食べられるなら弁当も悪くない。一切れ、また一切れと口に運びながら、愛妻の待つ冥府への道行を思う凜だった。

 

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