表紙詐欺

発売予告があってから、Amazonさんで予約して発売を楽しみにしていた東離アンソロ。

発売当日に届いたのでさっそく読んだら。なんというかこれは、表紙詐欺だったなぁと。一個人の感想なので、たぶん良かったっていう人のほうが多いと思うけど。

表紙に載ってるから、出番とかが多いんじゃないかと期待していたわけですよ、浪さんの。いうても一期は既に何度もアンソロで取り上げられて既出なわけだから、二期ネタが多いといいな、とか。

蓋を開けてみたらやっぱり一期メインだし、まぁ無口キャラなのでお話作りにくいのはわかるけれども、読み終わって印象に残るお話もない。

むしろ表紙には出ていない無生さんのほうがドラマティックに活躍しているという。やっぱり表紙には浪さんじゃなくて無生さんを描いたほうが、ちゃんと中身を表してて良かったんじゃないかと思う。逆に他キャラ、とりわけ無生さんのファンの方は、こちらのアンソロはマストバイ。研ぎ澄まされた刃の美しい無生さんのお姿を沢山堪能できていいかと。トリを飾ったお話も凜殺の関係性や、無生さんの様々な表情、危機迫るものだったり、呆然としたり、多様で素晴らしかった。

うんまあ、こういう好みに外れたお買い物もあった、ということで美味しいものでも食べてすっぱり忘れよう。台湾産パイナップルあれから一度もスーパーで見かけなくて幻になっているので、ネット注文でもしようかな。

四月に入り、凍京ネクロのイベント情報が発表になったけれども、期待していた東離イベントの復刻は残念ながらなかった。きっと１０月放映だったら今頃、MXやBS日テレのネクロCMで、「今なら星４殤不患＆丹翡がもらえるのじゃ！」って、らびちゃんがあの甲高い声を張り上げて宣伝してたんだろうなと思うと、コロナ禍で仕方ないとはいえ、延期は残念だった。十月スタートだったら二期と同じく終盤が冬休みや正月休みと被ったので、ネクロイベントを通じて知って、在宅で視聴してくれた人も四月よりは多かったんじゃないかな。

それなりに布教もがんばってみたけれど、あまりにも周りの人達が東離を知らないまたは興味ない、みたいな反応が多くて。二期だって続かない作品が多いのに三期まで続くシリーズなんてすごいと思うのに。あとは、「悪い三日月おじいちゃんが出てくるんでしょ。」て言われたり。おじいちゃんて。確かに白髪（銀髪？　）じゃあるけれど。

今の世の中、個性的なポリシーやモットーよりも、正義感や好感度というものが大事な傾向にあるので、三期一話で凜さんの好感度が爆上がりしたと信じたい。あの冒頭シーンはしみじみ良かった。その造形から、凜さんてF.S.S.の天照陛下と似てるなとずっと思ってきたF.S.S.沼民なのだけど、そうすると冥府で待っている無生さんてラキシスなんだよな。途中で陛下と離別して、五十六億七千万年（7777年）に緑の星フォーチュンで再会する。いつか必ず出会う、未来の約束を交わすって、月並みな言い方だけど本当にエモい。

あとはF.S.S.だと、剣聖カイエンに尽くしたアウクソーは、殤さんの為に戦い続ける浪さんの健気さに通じるものがあると思ってるので、やっぱり東離でF.S.S.パロを想像するのは楽しい。それこそ宝くじが当たったら、東離F.S.S.パロを個人依頼して描いて頂くんだ。それが複数集まってアンソロになったらもうどれだけ幸せだろう。今読みたい東離アンソロは、公式どころじゃない、極端に性癖ニッチなアンソロなんだと実感したんだった。