殤浪@サンファンドットコム

【Attention!】こちらはBL要素・18禁の内容を含みます。どうぞご注意下さい。Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 のキャラクターのカップリング推しの管理人、律による、腐向け二次創作記事中心のブログとなってます。

どぎまぎの理由

霹靂のご本家だと、すごくシリアスなシーンの前後だったりにコメディタッチなお芝居をするキャラクターがいて、そのおかげでいっそうシリアスが引き立つ流れがあったりするのだけれど、三期冒頭から活躍している護印師の入り婿の捲ちゃん、動きだったり芝居だったりがコミカルで、そういうところも演出が段々近づいている気配がする。

一期の、血気盛んで名声に焦がれていた若い捲ちゃんからすると、久しぶりに会う親戚のおばちゃんじゃないけど、大きくなったねぇ、としみじみしてしまう。

東離に来てそうそうえらい目に遭った殤さんだけれど、捲殘雲という男との出会いは人生の僥倖だったんじゃないかと。

後に気に入って名乗る「刀無鋒」という二つ名の名づけ親にして、いっときでも魔剣目録を託せる善良な相手。三期三話では、足手まといは置いて行こうと提案した凜さんに、一緒になって怒ってくれ、そして手負いの嫁の身柄を預けられる義に厚い相手。

そんな友には、なかなか出会えるものじゃない。捲殘雲はきっと、殤さんが持っている強大な力をなぜ使わないんだなどと、明夫さんのようになじったりしないだろう。この先仮に丹翡ちゃんに何が起ころうとも、悲観して外道に堕ちたりはしないだろう。そういう信頼感がある。

もちろん人間には善性も悪性もあって、その時々で表に出る顔が異なる上、周囲の影響によってもどちらに傾くか変わるんだろうけれども。どんな劣悪な環境に置かれても、歪まない人間は歪まない。浪さんなんか、あれほど踏みにじられても、天に伸びる竹のようにまっすぐで、心根は純粋なままだった。きっと捲ちゃんも同じ人種なのだと思う。心の善悪が聞こえる浪さんにとって、捲殘雲のそばは心地良いはず。

 

二話で、はぐれた捲ちゃんを浪さんが探しにきて、捲ちゃんのどぎまぎしたような反応が可愛いらしかった。

古い作品のたとえになるけど、仲の良い男の先輩が隠れて付き合ってたカノジョが、鮎川まどかだった後輩、みたいな反応。

 

(無口でミステリアスで、すっげぇ美人! 近くで見るとやっぱ女みたいにキレーな顔してる。いやうちの嫁の可愛さには負けるけどよぉ。

……これって旦那の、あれ、だろ、周りには特に言ってねーけど、どう見たって二人で醸し出してる雰囲気が完全に夫婦だろ。うっわ、なんて話しかけたらいいか逆にわかんねぇっ! 下手なこと言ったら旦那にどやされちまう! )

 

人見知りや物怖じしない捲ちゃんが、あの場面で挙動不審になった裏で、こんなことを考えていたら萌える。

 

(ええ、なんて言ったらいいんだろ、「いつも旦那さんにはお世話になっています。」か? いやいや、それだと、こっちが気づいてますっていう当てこすりみたいじゃんか。今後ともご贔屓に、ってのも商家じゃないんだし。どうしよう。こんな時うちの嫁だったらなんて挨拶するんだろ。)

 

その後。殤さんの知り合いらしい萬将軍の言葉で、いっそうどぎまぎするんだね。

(啖劍太歳を討伐し、天籟吟者を奪還せよ、って、もしかして旦那、浪さんのことを帝のお姫さんから奪って逃げたのか? てことはふたりは完全に駆け落ち婚? ロマンティック過ぎて、うちの嫁が聞いたら目をきらきらさせて喜びそうだぜ。)

 

さらにその後。大切な存在を託され、義憤にかられる捲ちゃんなのだった。

(国の将を総動員して駆け落ちの邪魔するって、西幽ってのはなんてひでぇ国なんだ。旦那、大事な嫁さんはちゃんと俺が守るぜ。それにしても、目録を預かった時にも口から心臓出そうになったけど、嫁さんも責任重大過ぎてけっこうやべぇ。ああでも、すっげぇ息荒くて苦しそうなのに、「殤!」て。健気だなぁよっぽど旦那に惚れてんだなぁ。まぁうちの嫁もあれで健気で可愛いとこ沢山あんだけどさ。)

 

あれ、これは結局、うちの嫁のろけなのか、捲ちゃん。