殤浪@サンファンドットコム

【Attention!】こちらはBL要素・18禁の内容を含みます。どうぞご注意下さい。Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 のキャラクターのカップリング推しの管理人、律による、腐向け二次創作記事中心のブログとなってます。

レッツバットる

一週間、放映を待ち望んでいた東離四話、のっけから観たかった殺陣全開で目が釘付けになる。やっぱり霹靂さんの操偶師さんのアクションとカメラワークは素晴らしくて、回転しながら突っ込んでいく殤さんとか、剣で剣をくるくる回して投げ返すのとか、踏みとどまる別撮りの足元とか、語彙が消えるぐらいすごいんだけど、短い場面の中で凝縮された技術を堪能できる戦闘シーンが大好きと言いたい。本当に生きてる。

もっと観たいのにいいところで勘違い婁さんが降ってきてしまって、中断残念、となっていたら、こちらも勘違い萬将軍によってかっこいい共闘が実現したので良かった。婁さん今期はいろいろ残念枠の人なのか。常軌を逸する媛フリークぶりが、笑っちゃ可哀相なんだが笑ってしまう。そしてこの歌がBGMでヘビロテする。ひーめ、媛、媛、好き好き大好き媛、媛!(照君臨~)。本当に婁さんの為にあるような歌。

 

重傷の浪さんの為にとっとと決着つけたくて焦った殤さんと、媛奪還しか見えていない婁さんと、魔剣目録奪取しか見えていない明夫さんの三つ巴に、完全に蚊帳の外だったバッタさんがなんだか気の毒だった。ホログラムだから何もできないしね。

浪さんも駄目だ、と止めようとしてたのは、外道外法に堕ちようとも明夫さんが清浄な人物で、根っから悪人ではないと、正義が行き過ぎただけだと気づいているからか。そもそもその原因を作ったのは自分だし。時間をかけて説得すればわかってくれると。いやでも、今の殤さんにそんな余裕がないのはだいたい浪さんのせい。

 

そして悪党で遊びたい外道党代表の凜さん、まんまと神蝗盟に入り込むことに成功、したのかしていないのか。一見チョロ軍破氏は騙されたように見えるけれど、裏切りが二転三転してこその霹靂っぽさなので、騙されてないに一票。不患を悪く言う奴の言葉など信じられない、とそこは浪さんと共通であって欲しい。

西幽って国は現状のトップがあの残虐な皇女ですよ。身に危険が及ばないよう保身に走る重臣達と、その下で苦労している役人達と、中にはしたたかに汚職に励んでいた狂狷さんのようなお役人もいたかもしれないが、政治が腐敗してるのは確かで。中央省庁でないといえど、曲がりなりにもその中で将軍職と神蝗盟の幹部の同時進行やってる男が、そこまで迂闊じゃないと思いたい。騙されたふりをして凜さんを人質にとるのも有りかと。まあそう考えた相手が悪すぎる、っていうのは視聴者しか知らないメタな情報なので、どのみち明夫さん頑張れ、に違いはないのだが。

 

◇◇◇◇◇

 

「なあ、なんで巫謠さんさっき、旦那に『駄目だ! 』って言ったの? 」

突然始まった旧友同士の戦闘に驚き、退路を探りつつも、捲殘雲は背負った怪我人に尋ねた。

傷の痛みか、それとも悲しみゆえか、佳人は眉をひそめ、喘ぐように言った。

「……あの将軍は、悪じゃない。」

「禍世螟蝗って、いかにも悪そうな奴に仕えてるのにか? 」

「殘雲も聞いたろう。堕落の訳は俺の存在故。」

主の悲しみに抗議するかのように、浪の背で琵琶が喚いた。

「浪ちゃんまーだ気にしてんの?! お前が一人で負うなって、殤の奴も言ってただろうーがよ! 」

「人の一生を狂わせる魔剣。俺は、ただ其の物。」

降ろせ、と囁かれたのを、聞こえないふりで捲殘雲は流した。今は殤不患にとって魔剣目録と同じくらい大切なものを預かっている、重要な使命の最中だった。

思いがけない婁震戒の参入で乱戦になったが、背の重みと温かみによって肝が据わり、存外冷静に戦況を眺めている己に気づく。

「……大丈夫だよ、巫謠さん。」

返事はないが、身じろぎしたので聞こえているとわかった。

「さっきさ、旦那、魔剣は誰にも渡さねぇって言ってただろ。巫謠さんが、自分で自分を持て余しても、ちゃあんと殤の旦那が持っててくれる。だから、大丈夫。」

 

ふう、と小さな吐息がひとつ、首筋に零れ落ちるのを感じた。