殤浪@サンファンドットコム

【Attention!】こちらはBL要素・18禁の内容を含みます。どうぞご注意下さい。Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 のキャラクターのカップリング推しの管理人、律による、腐向け二次創作記事中心のブログとなってます。

もぐもぐやーみぃ

東離三期、三話があまりに盛りだくさんで濃かったがために、繰り返しもぐもぐと反芻していたらあっという間に一週間が経過してしまった。明日はもう四話。全十三話なので、三分の一弱が終わってしまうことになる。あっという間の四月だったなぁ。

登場人物も増え、人間模様も複雑化してゆき、先の展開がわからなくなってきているけれども。そういえばまだPVで見た、浪さんが吹っ飛ばされて一回転するシーンや殤さんが押し倒されるシーンが出て来ていない気がする。MXの番組ページの四話の、やんわりしたあらすじだと、浪さんを逃がす為にある者は囮に、ある者は戦って西幽でちりぢりになってしまう、的なことが書かれていた。ある者、ってぼかし方が。さすがに露出過多のあらすじはやめたのね。これが三話と同じ調子で書かれていたら、誰がどこに行くのかわかったのにな。いや、やっぱりネタバレにつながるあらすじは心臓に悪くてよろしくない。

 

あとは、この先どんな落としどころを見つけるのか。嘲風さんて子はどれだけ歪んでも帝の代理皇女には違いないわけで。いくら明夫さんがその悪政に怒り心頭だとしても、嫁を傷つけられた殤さんがブチ切れていても、直接手を下せば皇女殺しはそれこそ大罪ですよ。西幽の内政に難ありと国外に知れれば、現在かろうじて持ちこたえているらしい夷狄の侵攻が激しくなったり、さらに今はあるかどうかもわからないけれどどこかの強豪国に攻め込まれ、その傘下に置かれるかもしれない。

ひとまず、皇女に鶯を諦めさせるにはどうすればいいか。皇女が自主的に地位を退き、今までの悪行の報いを受ける形で物語から退場するには。

 

「簡単なことだ。天籟吟者、だったかな? 皇女様直々に、重い手傷を負わされた浪巫謠は、仲間の手当の甲斐なく身罷りました、と言ってやればいい。」

「だが、あの嘲風のやつがそう簡単に信じるとは思えねぇ。」

「骸(むくろ)を送りつければ、さしもの皇女も納得するのではないかね。」

「むくろ、って、馬鹿なこと言うんじゃねぇ! 冗談にしちゃ質が悪すぎるぜ。」

「そういきり立つな。なにも本物を送ろうというわけではない。贋作作りなら任せてくれたまえ。お前が寛容な心で巫謠どのに触れるのを許してくれるというなら、瓜二つに仕上げてみせよう。」

 

 

「この棺に、皇女のもとへと送る骸の贋作が収められている。身の丈から宝飾品までそっくりに誂えた。中をあらためてみるかね? 」

「いや……、偽物ったって、見て気分のいいもんじゃねぇだろ。」

「そうか。それは……、残念だ。」

 

 

「おお、これは、我が鶯! 翅をもがれ、魂の香りが抜けてなお、その美しさに変わりがないとは。」

「私も……、共に逝くぞ。同じ棺の船に揺られ、今度こそ誰の邪魔も入らぬ花園で暮らすのだ。」

 

「軍破……?」

「不患。嘲風が天籟吟者の後を追って自害した。」

「そうか。」

「さしあたって、宰相が嘲風の代理を務めるらしいが。啖劍太歳討伐は重要だが国にとって火急の大事ではない。勅命は取り消され、俺にも西方への帰還命令が下った。」

「これからどうするんだ。本来の使命を果たすのか、それとも、そのまま神蝗盟に義理立てして留まるのか? 」

 

 

(「浪どのには、事態が落ち着くまでしばらく身を隠すように伝えてある。あまりに早く真相が明るみになっては、なにかと不都合が多いゆえ。」)

「あれから三月は経つってのに。浪のやつ……、どこへ行ったんだ。」

嘲風が死に、凡庸な宰相の元でも少しずつ、西幽は落ち着きを取り戻そうとしている。

なのになぜ、こんなに嫌な胸騒ぎがする。俺はなにを見落としている?  

 

そもそもあの嘲風が、偽物の亡骸に欺かれ、自ら命を断つだろうか。

だとしたら。まさか。

 

王墓のある墓所へと忍び込み、墓を暴く。

亡骸には魔力を抜き取られ、ただの物言わぬ器物と化した聆牙が添えられていた。

かすかに残った言霊の魔力の残滓で、牙がかくり、と一度だけ動いた。

不患ちゃん。とでも言うように。そして、永遠に沈黙する。

それだけで、殤不患は全てを察した。

 

(不患ちゃん。オレ達は、アイツに騙されたんだよ。)

 

墓所に慟哭が響く。殤不患は平伏し、額を地面に幾度も叩きつけ、大地に爪を立てて己の至らなさを悔いた。


命よりも大切なものを奪われた。ただその怒りが全身を突き動かす。

愉し気に逃げ回る掠風竊塵を追いかける殤。そして二人は因縁の魔脊山で対峙する。

 

「……一目見て、切るべき奴と思ったんだよ。」

「お前のような男に言われるとは、光栄だな。」

 

◇◇◇◇◇

 

偽物が死んだことにすれば、本物は追われなくなる、っていうのはどこかで観たことのあるネタなんですが、さて、そう簡単に騙されるもんなんだろうか。

胸をえぐられるみたいな物語が幾つも幾つもあるのがご本家様なので、今はまだ痛快さの大きい東離だけど、こんな卑怯なだまし討ちみたいなあるあるシーンが来るのかも、と、想像するとでもめちゃくちゃ怖かったりもするので、五期までは来なくていいかな、うん。どっちなんだ。