殤浪@サンファンドットコム

【Attention!】こちらはBL要素・18禁の内容を含みます。どうぞご注意下さい。Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 のキャラクターのカップリング推しの管理人、律による、腐向け二次創作記事中心のブログとなってます。

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

炎の花の花びらの 後 その四

じわじわと、湯に浸かった時のように手足の先から感覚がよみがえる。予感はしていたがまだおぼろげだった記憶が鮮明になっていた。まるで浪の言葉が、鮮やかな道しるべとなったかのように。だから浪は、そばにいようとしてくれた。離れてもひたむきに待って…

炎の花の花びらの 後 その三

ひゅう、とどこからともなく、小部屋の内に風が吹いた。 呼吸をひとつ飲み込んで、殤は穏やかに、眼前の獣人に努めて冷静な声音で聞いた。 「あれから、ずっとここで待っていたのか? 」 考え込むような間があり、こくり、と浪は頷いた。 「ここに、来られる…

炎の花の花びらの 後 その二

じゃりじゃりとブーツで踏みながら降りる崩れかけの階段の奥に、殤の求める姿はなかった。ぼんやりとほの明るい階段はさらに続き、冒険者を奥へといざなう。気配を辿って数階分の階段を降りたところで、目の前に瓦礫だらけの小部屋が現れた。 何もない部屋の…

DoD見ていないひとの雑記

去年はネトフリで日本語字幕があったので視聴していたWoD。続編となるDoDはネトフリになく、霹靂アプリで一話ずつ更新されているということで、現在観られていないのだけれど。 最新話の噂を聞いただけで大号泣できたのですがどういうこと。 これ、実際観て…

炎の花の花びらの 後

ある遺跡で夕陽色の三つ編みの獣人を見たとの噂を入手し、殤が逸る心を押さえつつ赴いたのは、浪と不本意な別れ方をしてから三年後のことだった。 浪を探しながら幾つもの国を巡るうち、関連のあるらしい不穏な噂を数々聞き、また自分の目でも確かめてきた。…

炎の花の花びらの 中 その二

その日以来、猫の獣人の少年は殤の前から消えてしまった。 我に返った殤は後を追った。追いながら、真意を訊ねないままに、怒りを見せてしまったのを後悔した。この半年、旅程がどれほどきつくとも、魔物に突如襲われ怪我をしても、涙ひとつ見せなかったあの…

炎の花の花びらの 中

泣く資格など、ありはしないとわかっていたけれど。 どこから出て来るのか、後から後から、浪の涙はとどまることを知らなかった。 猫の獣人である浪は夜目がきく。舗装されていない荒れ地でもしなやかに走れる。それでも、感情の制御を失った足は幾度ももつ…

炎の花の花びらの 前

唐突に浮かんだ中世風異世界ファンタジーパロ。殤さんは冒険者、浪さんは獣人です。 書きたいところだけ。 ◇◇◇◇◇ 「殤……、これ。」 それをおずおずと差し出したのは、夕陽色の髪を獅子のようにたなびかせた、十三、四の年頃の少年、数か月前に思いがけず殤の…

それは低い筒のような、上から見れば丸いような

夏の暑さに思考停止したまま、涼しくなるまで再起動をかけられなかった残念な脳が、気温が下がって少しずつ働き始め。ああもう、エアコンでなく天然の風が涼しいって素晴らしい。 殤さんの誕生日までには何かまとまった話を考えたいなと思っていたけれども、…