行動展示
超級霹靂會がYouTubeで観られるようになってたーーー!
字幕がないので映像から推し量るしかない部分もあるけど、すごい有難い。嬉しい。しかもその回が青色の角色特集とかで、大好きな古陵逝煙さんがお出ましだった。このお方は本当に氷雪のような冷たい風貌が美しいし、いわゆるバトルソングがセフィロスっぽくてかっこいい。存在感もすごい。鴉の字がつく息子さんへの仕打ちもあんまり。
(というかなんで魔剣目録に百代昆吾が入ってるんだろ。謎。)
しかも西幽玹歌の宣伝がめちゃされてて、操偶師さん達が木偶さま達と一緒に映画館を巡ってファンサする様子がばっちりだった。これはすごく羨ましい。
脚本やキャラデザは日本人が担当しているけれど、サンファンって台湾の誇るコンテンツなんだなとしみじみ思う。
日本でも木偶さまの展示はあるけど、仮に動物園になぞらえるなら、いつもいわゆる、木偶さまの形(なり)だけを見せる形態展示で。劇中のシチュエーションを再現する生態展示でもなく、操偶のある行動展示でもないんだよな。もちろん、見る側にとってどれが一番木偶さまらしさが表現されて面白い展示なのかは言うまでもない。
お人形の作りがいかに優れていて美しいとはいえ、あの木偶さま方は操偶師さんと合わせて心技一体。動かさずに飾って置くなんてその魅力の半分も伝わらない。そこが普通のドールさん達と違うところで、大きな看板なんか飾らず、小さな街頭モニターでいいからえんえんと劇中の動くキャラクターを放映し続けた方がひとさまの興味はひけるような気がする。だって、あんなに美しいものが派手なアクションするんだから、驚きますよ。他のひとにも知って欲しい。
ただ、日本で大々的に広めるには、ちょっと荒事過ぎるのかなって。歌舞伎でいったら外連味溢れる江戸歌舞伎。は、当時文化の違う上方の歌舞伎が好きなひとからは野蛮、残酷、荒っぽいってなったわけで。さすがに首がごそっと飛んで血がばばっとなるのを、地上波で放映するわけにはいかないと思う。そこはもっと抑える方向でないと、面白くとも日本で広まる予感がしない。この国のひとの大部分が、ひとつの島で単一に比較的平和に暮らしてるせいか、共感覚があってぶつかりあいに慎重なところがあると思うので。自分達のアイデンティティをかけて闘ってるひとたちが作ったものの凄味、ってものを受け止めるには繊細すぎる。
日本の生んだコンテンツにも、日本では先細りしつつあるものが、あった。たとえば空手。たとえば柔道。でもそれは形を変えて世界中に広まって、その地に根付いた。今では柔道着は白じゃなくちゃだめ、なんていうひとは少ない。
それはもう、本来の伝統布袋劇からも霹靂布袋劇からもかけ離れたものになってしまうかもしれないけれど。サンファンだってじゅうぶんご本家からはかけ離れて、違うものになってる、と思うけれど。武侠ものじゃなくもっとマイルドな、中華思想のファンタジーを原作として、布袋劇で見てみたい。そこでまた新しい文化が生まれて、根付いたらいいなって。
(あとはもういっそ、ニトロプラスだし、三日月さんと村正さんは既にいるし、刀剣乱舞をそっくり布袋劇で。立体化された衣装で動く三日月さんはかっこよかったし。)
いろいろ考えても、今こうして萌えられるものに出会えている幸運というのは本当にありがたい。それがちょっとでも日本で長続きしてくれたら、もっとありがたい。