殤浪@サンファンドットコム

【Attention!】こちらはBL要素・18禁の内容を含みます。どうぞご注意下さい。Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 のキャラクターのカップリング推しの管理人、律による、腐向け二次創作記事中心のブログとなってます。

あなたの背中を守りたい

東離の台湾公式Facebook、最後の晩餐パロの時も同じように思ったのだけど、今朝更新された記事を見て。殤さんの背中ががら空きにならないよう、浪さんが守っているみたいな寄り添い方に健気さを感じて、元旦からじーんとなっていた。

思えばもう二期から一年経ってしまったのだな。早い。

その人が、その人らしくいられるための、大事ななにかを守る。殤さんの優しさを守りたいとひとり奔走した浪さんの姿がいじらしくて、そんな浪さんの意志を尊重しつつも心配でたまらない聆牙の、器物の域を越えた想いに心うたれて、殤浪への思い入れが強くなったのだった。

勿論、殤さんは正面からまともに戦えば誰よりも強いけれど、蠍っちゃんの幻術を見抜けなかったように、搦め手には非常に弱い部分もあるわけで。長い付き合いでそれを知っている浪さんはきっと心配でしょうがないのだろうな。

だから、耳を澄ませて、心を澄ませて、殤さんと魔劍目録に忍び寄る音を聞いている。どこから何が飛んできても、軌道がわかるように。殤さんに当たる前に、自分が壁になれるように。殤さんが、前だけ見て、笑っていられるように。

 

 

「『あなたの背中を守りたい』……、か。」

「それ、浪兄さんの新譜? 買わなくても、言ってくれれば貰ってきたのに。」

伸ばした髪をさらりと傾けて、歌い手の弟が首を傾げながら言った。子供の頃の癖で、夕陽色の頭をくしゃっと撫でてやりながら、殤は苦笑した。

「買った方が売上に貢献できるだろうが。貰っても、一応いつも買ってるぞ。」

「だから同じのが二枚ずつラックに並んでるんだ? なんでだろうと思ってた。」

こたつから首を巡らせば、壁沿いのCDラックには確かに同じタイトルの作品が並んでいる。CDの透明なケースを撫でながら、いつも口数の少ない子にしては珍しく、饒舌に語り出した。

「でも、すごいよね。”あなたの背中を守りたい、どんな嵐が来ようとも”……、って歌詞。兄さんいつも、どこから引き出して書いてるんだろうと思ってる。」

「そうだな。前にどっから出て来るんだって聞いたら、自然に沸いてくるって言ってたぞ。」

「そうなんだー。……殤兄さんのこと、心から守りたいって思ってるんだろうね。」

呟きが、胸に染みた。この隣家の年下の幼馴染兄弟は、顔はさほど似ていないが、声がそっくりなのだ。まるで兄の、己の恋人から囁かれたような心地がして、思わず小さく口に出す。

「……俺だって、あいつの背中を守りてぇんだがな。」

目を丸くした恋人の弟は、続いてきゅっと目を細めて、こくりと頷いた。

「じゅうぶん、守ってるよ、……今は。」

「そうか? 」

「うん。」