花粉なくとも受精する 1
あられもないエロです。ご注意ください。
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あれだけ連日、天気予報を賑わしていた花粉「多い」のマークが、ようやく「少ない」に切り替わり。歩く花粉探知機だった浪も、普通にマスクをせずに買い物に出かけられるようになった。
金曜の夜。殤の後に入浴した浪がひどく長風呂で、溺れているんじゃないかとリビングのソファから腰を浮かせかけた時。火照った顔で髪から雫を垂らした浪がようやく姿をあらわした。
久しぶりに見るマスクのない顔は、見慣れた殤でもどきりとするほどの驚異的な美形で。湯上りに赤らんだ頬の色気も相まって、腰のあたりがずくんと疼く。
そんな殤の動揺を知ってか知らずか。浪は座ったままの殤の首に両手を回してしなだれかかり、耳元で囁いた。
「言っただろう。治ったから、いっぱいお返しするって。」
「待ってたぜ。」
一気に血液が逆流するような興奮と、抑圧から解き放たれたので、自分は今、獣のような顔になっているだろうと殤は思い、誤魔化すように笑った。勢いをかって、不意打ちのように目の前のふっくらとした緋色の唇に口づける。
久しぶりに重なる唇に、浪はぅん、とくぐもった声で応える。鼻が詰まっていた時は苦しくて、遊びのようなバードキスがせいぜいだった。熱を帯びた唇を擦り合わせ、どちらからともなく舌を絡める。断たれた時間を埋めるように、深く強く。吐息も惜しんで逃げたり追ったり。互いに長期間ずっと辛抱していただけに、ぶつかり合ったそれは欲情の火をたちまち体に灯した。
「っふ、……あっ」
「っ、いいか、巫謠? 」
「ん、キス気持ち、いい。でも、他も触りたい。」
色事には控え目な浪だが、長らく殤に我慢を強いた負い目がある。そしてなにより、毎日さまざまな形でいたわってくれた殤への、深い感謝があった。
ソファにかけた殤の腰に手を入れ、スウェットと下着を強引に足元に落としてしまう。急に外気にさらされたのに驚いて、殤がひゅっと息を飲むと、浪はくすくすと笑った。
「寒くしてごめん。すぐ、あったかくするから。」
まだ半立ちで皺のある殤の陰茎に手を添えてうっとりと眺めてから、一息に咥内へと迎え入れる。
舌で裏筋をくすぐり、唇をぎゅっと窄めて扱き上げながら、口の中を侵されて酔ってしまいそうだと浪は思った。ずっとずっとこうしたいのを、鼻呼吸できない故に我慢していたのである。殤のおちんちん、可愛い、大好き、と頭の中で繰り返す言葉が溢れそうだった。
いっぱいお返ししてあげる。いっぱい気持ち良くしてあげる。
一心不乱に、心を込めた唇での愛撫は、見ているだけで殤の気持ちを昂らせた。
「うっ、巫謠それいい、すげ、気持ち良い。あっ、」
びくびくと幹が震えるのを、殤は咄嗟に自分の手で根本を戒めた。
「なん、で。」
出していいのに。不満気な声の浪に、ふう危なかったぜ、と汗を滲ませながら、にぃ、と笑う。男の色気の溢れた、俗で卑猥な笑い方だった。
「出さなかった分全部お前ん中に出したい。お前ん中から、どろどろの俺のが溢れてくんのが見てぇんだよ。」
浪がぽうっと見惚れるほど、色ののった殤の笑みは恰好良かった。
「ちゃんと後始末して洗ってやるから、溜まりに溜まったもんをぶち込ませてくれ。」
「う、ん。いっぱい入れて、かき混ぜて、白いのぐちゃぐちゃにして。」
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数日、ぐちゃぐちゃエロになる予定です。