好きこそものの上手なれ
いよいよ今晩に迫った東離五話。刑亥姐さんは無事に姉妹である照媛さんを復活させられるのか(させられるんだろうな。予告で出てたもんな。)、殤さんは無事に婁さんを撒けるのか(これは不明)、捲ちゃんはお使いを果たせるのか、浪さんは人質にとられたり自分から出ていったりせず、洞窟で大人しくしてるのか、アンサーが一気に出るわけなのですが。
考えたら三期まで来て、まだまだ謎だらけの東離。凜さんとか狂狷さんのようなヴィランって、複雑そうで案外行動原理がはっきりしててわかりやすいんだけど、殤さんがはっきりとよくわからない。
西幽玹歌で、魔剣を集めるのは難儀な旅だけど、終わりがあると思えばやっていける、みたいなことを仰ってたので、てっきり然るべき場所と然るべき人がいたら手放したいのかと思いきや。魔剣は誰にも渡さねぇと啖呵を切ってみたり。
啖劍太歳の二つ名は酷い呼ばれよう。使命感でやってるんであって、魔剣集めは苦行、殤さんにとって嫌なことなのか。
その割に、一期で集めに集めた三十、何振りだっけを披露したときにはなんだかちょっと、楽しそうな誇らしそうな雰囲気ではあったり。
魔剣探しにまつわる萬将軍との旅も、心躍る冒険だったらしいじゃないか。
凍京ネクロの村正コラボで、初めて湊景明という主人公の存在を知ったのだけど。この人がまぁ、今まで知ってるロボットもののヒーローの中で一番陰鬱な顔なんじゃないかと思うくらい、暗い人で。声もめちゃくちゃ暗いし。
本当に嫌だけれどやらざるを得ない人っていうのは、こういう顔になるのかと知った。
殤さんはでも、暗い顔はしていない。
どうしてそんな大変な仕事を選んだんですか、とよく聞かれて、どうしてだか答えられない、でも、なぜだかその仕事をやっている、そんな気持ちはわかる。なかなかできる人がいないから、とか、でも結局、好きだからやってる、が一番正解に近かったりする。映画「千年女優」で、最後のまみさんの台詞。ああなるほど、と思ったり。
殤さんは、啖劍太歳と呼ばれることは嫌いでも、魔剣聖剣を集める過程にまつわる冒険だったり、試練だったり、そこで築いた人間関係だったり、自身の腕試し、度胸試し、レベルアップだったりっていう部分は、好きなんじゃないかと。そうじゃないと、続かないよね命懸けだったりするんだし。
魔剣集め、難儀だ厄介だとなんだかんだ言って、実は好きなんじゃないかな。そこでマニアだコレクターだ、と言われると、そんなんじゃない、然るべき処遇をするまでの仮の保護者だという自負があるんだろうが。そういえば保護した魔剣を嫁にしたんだったこの人。魔剣好きなんだわやっぱり。
ひとまず五期まであるらしいので、五期の終わりまでにはこの謎がとけているといいな。
そういえば。
「啖劍太歳を討伐し、天籟吟者を奪還せよ」が。
全国各地の将軍にお触れとして出されているみたいですが。啖劍太歳の罪状が、まるで花嫁・天籟吟者を奪って駆け落ちしたかのようで、シリアスな萬将軍の演説シーンにも関わらずほんわりしてしまったのだった。