きらきらひかった

目下土曜の夜のお楽しみ、東離三期も五話が終了。もはや何から突っ込んでいいかわからない濃さの展開になってきたけれど、一番のツッコミどころは、媛が姉なんかい！　だった。姉妹というのは四話で明かされたけれども、てっきり見た目や声質から、刑亥姐さんが上なものだとばかり。

MXのあらすじでは窮暮之戰の下準備のため宮廷入りしたと書いてあるけど、本編をみたら窮暮之戰後、鬼歿之地で分断された後に皇太子のひとりが立てた西幽王朝へ介入したみたいに受け取れて、戦前なのか戦後なのか混乱して、ちょっとその辺りがわかりにくかった。

お姉さまの語る武勇伝をわくわくしながら聞いてる刑亥姐さん可愛い。でもそのお姉さん、ちょっと前までイカレた坊さんに取っ捕まってて、鬼歿之地の谷底に永久に転がされててもおかしくなかったんだよ。最後は婁さんにちょっと絆されてたし。「しーんかーい！」「ひめぇぇーー！」ってあのシーンを、刑亥姐さんに見せてあげたらどんな反応するんだろ。姉の伴侶として、婁さんは無事に認めてもらえるんだろうか。

しかしまぁ、あれだけ二期の最後で魔脊山で大騒ぎしてたのに、すぐ下で闇の迷宮リフォーム中だった刑亥姐さんがまったく気づかないっていうのもおかしな話。どれだけ熱中してたんですか姐さん。しかも結局行き先を自由に選べない、課題山積み物件だというのが発覚しちゃったし。「そこは今後の課題よの」の、てへぺろ感がなんと可愛かったこと。たぶんうちの今期の女性キャラ一押しは刑亥姐さんに決定。

ラストと予告で螟蝗猊下が登場したことで、睦っちゃん失明の原因がvs禍世螟蝗戦にあったことがはっきりとした。速水さんまさかの棄天帝と同じオッドアイ！　しかも今までのキャラよりも木偶様の造形がご本家さま寄りだ。睫毛薄いのとアイメイクがないのとで、モブっぽさは否めないものの、服装の地味さは昔の劇集の棄天帝も今の劇集のキャラと違ってそこまで装飾過多じゃないので、それに倣ったのかな。縄跳びの持ち手が伸びたみたいな変わった武器を使用されるのも意外。　

強いと言っても所詮は虫、と思ってたら、殤浪＋睦っちゃんが束になってもかなわず、睦っちゃん死なないまでも失明するあたり、東離世界における棄天帝レベルに強いキャラなんだとうかがえる。さすがはcv速水さんのバッタさまだった。これは凜さんの無生さんへの願掛けが叶って、矜持も高そうだし腕も立つ、最高に愉しい相手を引き当てたのかもしれない。

睦っちゃんに対して気まずくて会えない殤さんを叱る浪さん。殤さんを正面切ってきちんと叱れるのも一番の理解者ならでは。本音で叱り叱られる殤浪はやはり良い。それとは別にどうやら殤睦の関係も深みを増して来てるので、ここの殤浪睦は江國香織さんの「きらきらひかる」を思い出した。何の因果か、主人公の名前が「笑子（しょうこ）」と「睦月」だしね。当てはまるのは逆だけれど。睦月と紺の歳の差CPがまた、殤浪を思わせるし。お互い妬いたりせずに仲良く育まれる女一人男二人の愛情の形は、理想の殤浪睦。紺と笑子が友愛で結ばれてるように、浪と睦っちゃんは同じ男を愛する同志でもある。浪さんも睦姐姐になら、殤さんの子を産んで欲しいと思う。っていう話を前にどこかで書いたな。きらきらひかった五話だった。