殤浪@サンファンドットコム

【Attention!】こちらはBL要素・18禁の内容を含みます。どうぞご注意下さい。Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 のキャラクターのカップリング推しの管理人、律による、腐向け二次創作記事中心のブログとなってます。

悪なのか

・これは、殤浪の出会いから、仲間になる物語だった。

始まりは敵だった。宮中に忍び込んで神誨魔械を盗んだ極悪人。狂狷さんの言葉を素直に聞いて、自分の声のせいで宮中から大事なものが盗まれたと、罪悪感に駆られて追いかけた。

浪さんは、なんでも自分が悪いんだと思ってしまう。母上に打たれるのも、自分が上手く歌えなかったせい。母が死んだのも、自分のせい。あれだけ武の心得があるのに、狂狷さんに捕まって逃げ出さなかったのも、酒場で人を狂わせた自分の声が悪いせいだと思ったから。

剣が盗まれたのも、自分が睦っちゃんに騙されたせい。どんな極悪人が相手でも、取り戻さなくちゃ、と。必死だったに違いない。

戦って、諭されて、そこではたと気づいた浪さんは攻撃の手を止めるんだけど。止めた相手を傷つけるようなことを、殤さんもしない。だから、この人は敵ではないのだと気づく。

事情を話した後、そこで普通、もうお前、宮中へ帰れ、となってもおかしくないと思うんだけど。
本当に、悪なのか、っていう問いに、言葉で答えることもできたと思うんだけど。

真実を知りたいなら南方へついて来いって言う。わざわざ連れていっても、誤解をといておきたいと思ってる。

なんでだろう。そんな手間をかけてまで。
この子には、わかって欲しい、と思ったのか。
殤さんは睦っちゃんから、こういう純粋で清らかな心を持ってるけど考えなしの子供が西幽にいるっていうのは聞かされていたはずで。厳しいことを言ってもみたけど、飲みながらずっと考えてしまうくらいには気になって、心配していて。

だから、その子が自分の意志で助けに来たと知った時、自分達の本当の真実を理解して、協力してくれて嬉しかったんだろうと思う。同時に、本来はこういう熱い正義感のある子なんだって知って、驚きもする。

頼もしいんだか危なっかしいんだかわからないけど、味方が増えるっていうのはありがたいこと。祝杯をあげた現場は、まあ、ちょっとあれだったけど。
長い付き合いになりそうだ、と予測していた通り、映画から二期の間には十年の歳月があるわけで。その間に西幽で何があったか。殤さんと浪さんが、どうその絆を深めていったか。明かされるのが待ち遠しくて仕方がないし、いくつもの物語を考えて、わくわくする。