殤浪@サンファンドットコム

【Attention!】こちらはBL要素・18禁の内容を含みます。どうぞご注意下さい。Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 のキャラクターのカップリング推しの管理人、律による、腐向け二次創作記事中心のブログとなってます。

まるっとおみとおし

西幽玹歌のラスト、最後に出てくる東離劍遊紀のもうひとりの主人公、凜さん。霹靂の監督さんが、脚本の段階では存在してないのに気づいて、虚淵さんと相談して後から付け加えた、的なことをメイキングでおっしゃっていた。確かに西幽の話に東離のひとが出るのもそもそもおかしな話で、脚本にいなかったのも道理なんだけど。監督さん、本当にファンサが行き届いていてグッジョブ。

でも、贅沢を言えばもうちょっと。他キャラと絡めて出して欲しかった気も。

というのもあれを見て、大河ドラマの往年の名セリフを思い出した。武田信玄、大井夫人(信玄のお母さん)のナレーションの締め。「今宵はここまでに致しとうござりまする。」こんなとこでパクリ、いや、オマージュか、って笑いそうになった。

大井夫人は途中までは生きてるんだけど、劇中で年をとって亡くなる。死んだ後も息子が心配で、息子への数々の誤解を解きたくて、霊界から物語を語っているという設定のナレ。

だから、あの木の下にいる凜さんが、生きてるようには見えなかったのだよな。なんというか、地縛霊みたいな。霊っていうのは三次元より高次元の存在で、時間や空間を超越したところにいる。だから、自分が経験していないことも微細に詳しく知っているという。(ナレの大井夫人がまさにそれ。)

あそこで成仏できずに地縛霊になってしまった凜さんが、通りかかる旅人を相手に東離劍遊紀の英雄譚や、西幽玹歌の楽師について語ってる、みたいな。中華圏の幽霊はまるで普通の人間と変わらないような調子で、生者とおしゃべりするらしい。

ひとも通らないような時にはきっと、石仏を相手に、にこにこしながらおしゃべりしている。「その時、十数本の竹がな。宙を舞って捕吏の腹に突き刺さったのだ。」とか。

凜さんが地縛霊化してしまったのはなぜか。愉悦できずに病んで闇落ちして、周りのひと達をみんな消し去ってしまったのか。なにか言い知れぬ後悔と無念と、消えぬ業を抱え、成仏できなくなったのか。それともあれが、外道に堕ちた罪の、凜さんなりの清算なのか。

たんなるファンサ出演と知ってても、ああいう形での登場だと、いろんな勘繰りをしたくなってしまう。ちょっと怖い西幽玹歌になってしまった。

でもそうすると、あの、殤さんのきりっとした決め顔にノックダウンされて恋に落ちる浪さんの描写も、それこそ二期の無理させたな、っていうだっこシーンも、美味しい殤浪相棒場面の数々を語っているのも凜さん、ということになるわけで。凜さん、どんだけ殤浪推しか。それもまた良きだが。

次の、西幽玹歌2の映画のラストで、「ちょっと凜さん、もっと詳しく二期や映画の殤浪を語って下さいな」って大樹の下で煙管をくゆらす幽霊に詰め寄る旅装束の人間が出てきたら、それはきっとわたしだ。