殤浪@サンファンドットコム

【Attention!】こちらはBL要素・18禁の内容を含みます。どうぞご注意下さい。Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 のキャラクターのカップリング推しの管理人、律による、腐向け二次創作記事中心のブログとなってます。

サンファン三期の噂

西幽玹歌が公開されてから週末せっせと通っていたのに、一番最寄りのシアターでは14日に終わってしまい、非常に寂しい。これがよく言う〇〇ロスなのかと身に沁みている。円盤、はやくはやく。
結局、四回しか観られなかったな。しかもライブビューイングが中止になったのは痛かった。一応新宿や幕張で振替があったらしいんだけど、シアター自体が駅から離れているうえにめちゃくちゃ道路渋滞するポイントに建てられているので、仮に時間があったとしても個人的に移動は難しかった。一応、劇場側も気を遣ってくれて平謝りのうえ、中止になった回は全額払い戻しのうえ無料観覧、ライビュ特典ノートはそのままもらえて、プラスで一回分のタダ券のお詫び配布があり。しかたないかな、と渋々諦められたところ。そのシアター自体、オープン&こけら落としがなんと10月25日のできたてほやほや。大事な滑り出しの一作として興行をかけてくれただけ、地方民としてはありがたいと思わないとな。東北のひと達は他の地域まで移動しなきゃ観られなかったんだし。
まあでも出来れば、円盤には一部でもライビュ映像を入れてもらえると嬉しい。ついでに台湾のファンミの様子も詳しく見てみたい。

個人的に外伝観覧が一段落したので、今度は撮影が進んでいるという三期の内容も気になる。しかも、来年の10月には放映されるかもしれなくて、三期は西幽玹歌の内容も踏まえて、という展開になるとのこと。今、主人公と呼ばれる人間はみんな東離にいるので、西幽話は回想メインにでもなるのだろうか。まさか全員で西幽に戻ったりはするまいな。それだと西幽劍遊紀になってしまう。ようやくパンフで分離以前の国名が出て来たので、もうタイトル代えて萬輿劍遊紀でいいんじゃないか。ああでも、番組欄に出るのかなこの漢字。
宮廷を描くことで西幽の情勢がいろいろとわかったので、今度は以前にもどこかで書いたけど東離の皇族を見てみたい。もともとFSSの天照に似てるなと思ってたので、凜さんが皇帝の身内でも驚かないよ。


凜さん、な。一期観てた頃には、悪党ぶってはいるけれど、このひとは自分の愉悦をとことん追求するうちに、意図せず社会の害悪まで退治しちゃうタイプの棚ぼた式なスーパーヒーローなんだろう、と思ってたのだよな。まさか自分の愉悦を追求してたら世界まで滅ぼしそうになるうっかり型のピカレスク主人公だとは。それでも、悪党が悪を裁くダークヒーローならばまだ良かった。外伝じゃ愉悦ついでに正道の剣技會まで潰すし、二期では完全にトリックスターと化して、七殺天凌の回収の邪魔をし、結果として婁震戒を目覚めさせて仙鎮城を壊滅させるし。もうひとりの主人公からは外道と謗られ、二期からの新キャラには悪だと断じられる有様。
それでも二期が終わった直後は、三期では視点を変えて、凜さんの棚ぼたヒーローとしてのカリスマ性やカッコよさみたいなものが見られるんじゃないかと期待していた。人脈がなによりって言ってたくらいだから、また大勢の侠客を集めて頭脳と策で勝負する、みたいに。浪さんが凜さんを悪だと言うのも、殤さんに本気で惚れてるんだなこの子、と思う一方で、「どうせ短期のゲストキャラだろうに、正規の主人公に向かって何偉そうに噛みついてんの、主人公が本当に悪のはずないでしょ」っていう声が一部で上がったのを、そう思われても仕方ないよな、と頷いてたりもしたのに。

それが、風向きがどんどんと変わってきて。凜さんはトリックスターならまだしも、物語のヴィランであり、外道であり非道である者、と作者に念押しされてしまった。実のところショックだったのは、西幽玹歌に最初、凜さんの出番を虚淵さんが作らなかった、というあのメイキング裏話。監督さんの判断がなければ、一期からの主人公なのに存在すらなかったわけで。浪さんだって生死一劍じゃ顔出しとセリフがあったのに。映画のラストに登場しただけで、なんで出てくるの、と言われる存在になってしまった。西幽玹歌を観終えたひとの中にはもう、浪さんの二期での凜さんへの断罪を疑う者は誰ひとりいないだろうし、浪さんが三期はほとんど出ないと予想するひともいないだろう。
浪さんがヒーローとして確立された一方で、裏を返せば凜さんは真にヴィランになってしまった。それが西幽玹歌という物語を、浪さんの人となりを説明し共有する為に書き上げた、虚淵さんの意図なんだな。

でも。未だに納得がいかないのは、クリエイターというのは、自分の生み出した最高傑作である主人公に、そこまで負の要素を添付して、ヒーローからヴィランへ引き下ろせるのか、ということ。それができるからプリマクラッセ(超一流)とDr.バランシェは称されたわけで、虚淵さんは本当に超一流だと思うのに、変わりはないのだけど。

軸になる主人公はブレない、と言われていたからには、きっと凜さんのキャラは変わらず、改心もせず、自分の愉悦を追求してはまたトラブルを引き起こしていろんなものを破壊に導いてしまうんだろうと、そう思う、けど。
せめてその壊してしまうものを、初めから敵方の勢力にして欲しい。劍技會や、仙鎮城や、罪のない市井の人々でなしに。自分の愉しみを追求してたらいつの間にか魔族の侵攻を防いでた、級の。二期の最後の最後でトリックスターとして八つ当たり的に参加したようなものじゃなく、駄々をこねる子供のような主人公じゃなく、もう少し英雄らしい行動の、ソリッドな何かを。たとえば七殺天凌を封印し直すのに使った道具が天工詭匠作にあらず、凜さんの作だったなら。あの最後の策を全て凜さんがお膳立てしていたなら。喪月之夜で操られる側を、あえて凜さんが選んでいたとするなら。頭脳派軍師としてだいぶ株が上がったと思うんだよな。

正直、一期でダークヒーローだった凜さんを、もう一度三期では見てみたい。ナイアーラトテップみたいに正体不明のトリックスターや、コメディリリーフや、単なる顔のいいヴィランであるより。禍世螟蝗の追手も魔族も人脈を駆使して鮮やかに手玉にとって、自分の愉悦も完璧に満たしつつ世界をしっかりと救うヒーローの凜さんを。やっぱり物語には数話ごとに痛快さと爽快感が欲しくて、でも決してそれは悪役の凜さんが愉悦に失敗して地団駄を踏む、みたいな、身内を笑う痛快さじゃない。ダーティヒーローの掠風竊塵が、敵方の誰かに一泡吹かせて終わるようなスカッと感が欲しいんだなと思ってる。