西幽のバレンタイン

関西の応援上映をいいなぁと羨んでいたら、今度は関東、秋葉原でも三月の二十八日に、発声OKの生死一劍と西幽玹歌の二本立て上映をやって下さるらしい。凜殺の三年越しの相愛相殺と、殤浪の馴れ初めとを一度に楽しめてしまうという、凜殺＆殤浪推し派には実に素敵な上映企画。これは行くしかないでしょう。

でも、流行りのコロナはちょっと怖い。三月二十一、二十二日のアニメジャパンと同様、今の時期に、田舎から人が多い都内に出て行くのにそこは葛藤がある。んー、でも観に行きたい。どうしよう。

西幽玹歌、といえば、霹靂さんの東離公式Facebookで、バレンタインの企画画像が。ああもうこれね、どう考えたって白浪さんの赤い薔薇が差し出されてるのは太歳さんだし、太歳さんがハートの焼餅を「半分こして食わねぇか？　」って聞いてる相手は白浪さんなのだった。浪さんの持ってる薔薇の数は九本。赤い薔薇の花言葉は「あなたを愛しています。」九本の薔薇の花言葉は、「いつもあなたを想っています。」「いつも一緒にいてほしい。」とのこと。ストレートで純朴な気持ちが、なんとも白浪さんらしい。太歳さんの持ってるのはハート。ハートといえば、思わず衝動買いしてしまったサンファントランプで、浪さんのカードだったスート。これでは浪さんの身も心も、すっかり太歳さんに食べられてしまうということに。ハート型の焼餅を分け合ってかじってるふたりの、（太歳さんは豪快に、白ふよはちみちみと小動物的にかじってる）想像をするともう可愛くてたまらない。これは何番煎じになったとて、時間がある時にじっくりと書きたいわ。

流石は霹靂さんです。クリスマスイブのらぶらぶツーショットに引き続いて、バレンタインにもファンに素敵なプレゼントを下さった。本当に感謝。

そういえばファンから各キャラへのチョコのプレゼントがあったそうなのだけれど。殤さん宛ても浪さん宛てもないのは、このふたりはそれぞれ単体推しというよりCP推しの人間のが多いからじゃないかと思っている。正直殤さんにチョコを贈る自分も、浪さんにチョコをプレゼントする自分もまったく思いつかない。このふたりはそれぞれが互いに、チョコを贈り合うと思っているから。贈り物を交換し合うふたりをそっと垣間見て、エールを送りたいのだよね。勝手を言えば、浪さんは他のひとからのチョコは全部断って、殤さんのチョコだけもらって欲しいし、逆もまたしかりなのだった。

凜さんの赤ワインのグラスの表面には、やっぱり向かい側にいる用心棒時代の無生さんの姿が映っていたらいい。

「どうだね、無生、このワインの色は。まるでお前の手に掛かった獲物の流す血潮のような輝きではないか。」

「ふん、悪趣味な。」

「まぁそう言うな。お前の劍に守られている私は、いわばお前に流させた血を飲み込んで平和を享受しているのと同じだ。我らは舌を共有しているのだよ。」

「馬鹿なことを。」

「試してみるか？　」

一口赤ワインを含んだ凜は、殺無生の後頭部を引き寄せると、唇を重ねた。そのまま舌を押し込み、強引に吸って絡ませ、とろっとした香り高い液体を喉に押し込みながら、舌が同じ味になるまで擦り合わせていく。

「んんっ、」

「ほおら。美味いぞ、我らの糧は。」