殤浪@サンファンドットコム

【Attention!】こちらはBL要素・18禁の内容を含みます。どうぞご注意下さい。Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 のキャラクターのカップリング推しの管理人、律による、腐向け二次創作記事中心のブログとなってます。

本当なら明日が

四月も残すところ数日。本当なら明日が西幽玹歌の円盤発売日で、各種配信サイトでの配信日で。見たかったあれやこれやの場面を確認できていたのだよな。

劇中のどのシーンも好きなのだけど、やっぱり白ふよさんと太歳さんとのシーンは格別。

たとえば、本当に悪なのか、とか。一般人である自分には、ひとめで他人の本当の善悪、良し悪しっていうのはまったくわからないわけで。相手がにこにこしていたら騙されてしまうかもしれないし、いいひとなのに態度で誤解するということも、普段生活していたらあり得る。それを、宮中の宝物庫から何か盗んでった、なんか悪い人かも、っていう前情報を与えられていたのに、手合わせして一目見ただけで「えっ、悪なの、うそ、ほんとうに?」 って。

心の眼でひとをみる、というのは、簡単にできることじゃない。

こういう、常人とは違う感性、感覚っていうのは、一期で殤さんが凜さんに対して、斬るべき男だと思ったっていうのと同じで。達人の域にならないとわからないんだろうし、それがわかる時点で、頼りなく流されているように見える子供でも、普通の子供じゃないんだよな、白ふよさんっていうのは。

中国の瑞獣に、人の善悪を理解し、悪人を自身の一角で刺し貫く、正義と公正を象徴する「獬豸(かいち)」という霊獣がいるらしい。人の邪正をよく知る、角の生えた羊のような犬のような生き物。浪さんの見た目は鳳凰のようであり、琵琶を抱えた姿は弁財天のようであり、気質は獬豸(かいち)に似る。霊獣と同じような性質を持つというのは、なんて純粋な有り様だろう。人間相手なら詭弁を弄して騙せる、巧みに誤魔化して利用できる凜さん(ナイアーラトテップ)でも、心の眼で善悪を判ずる霊獣、獬豸(かいち)相手には何を言っても通じない。彼が信じるのは己の耳目、自身の霊感のみ。

純粋で、美しい獣だなぁと思う。その獣を西幽で手なずけていたのが、祟り神、厄災をもたらす凶つ神の太歳神っていうのがまた、西幽時代の殤浪のおいしいところ。

 

そういえば、浪さんのイメージ、鳳凰という瑞獣は龍とともに描かれると女性性の強い生き物であるらしい。弁財天もまた琵琶を弾く女神サラスヴァティーから派生している。弁財天は日本では吉祥天と混在され、吉祥天の母は鬼子母神、夫は毘沙門天という説がある。

道教では太歳神の妻は太陰君という月の女神で(悪妻なんだけど)、霹靂社さんは事あるごとに浪さんのモチーフに月を使い、月になぞらえて表現するという記事をブログに書いたことがあるのだけれども、考えてみたら古今東西、月の神様といえば女神ばかり。

通常時のお召し物が婚礼衣装だったり、西幽時代は白無垢を着ていたりと、なんというか、浪さんの嫁属性の高さっていうのは、いろんなところからも裏打ちされてしまうんだな。二期じゃ完全にヒロインだったし、西幽玹歌でも運命に翻弄されるヒロインみたいなものだったし。三期でも殺青風景のキャラの並び順をみるにヒロインポジションだし。かくなるうえは三期も殤さんの嫁道を突っ走って欲しい。

霹靂のプロデューサーの西本さんのインタビュー前半を聴いたところ、三期でも重要なところで出てくるというし。舞台も東離でも西幽でもない、まったく別の場所が用意されているということだったので、それが蛮族のいる南方なのか、地底なのか海洋なのか海の向こうの島なのか、魔界なのかはわからないけど、どこにいても殤さんの背中を守る浪さんがいる画を、見られたらいいのになと思う。