殤浪@サンファンドットコム

【Attention!】こちらはBL要素・18禁の内容を含みます。どうぞご注意下さい。Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 のキャラクターのカップリング推しの管理人、律による、腐向け二次創作記事中心のブログとなってます。

なんて美しい

ねんどろ浪さんを予約してから、画像を一枚スマホの待ち受けに設定してみた。なんて美しい、ねんどろ。画面に鮮やかな花が咲いているみたい。ねんどろというよりも、もともとの浪さんそのものが美の結晶であるのだから、細部を簡略化されてもやっぱり美しいのだな。欲を言えば、目の周りのオレンジのアイシャドウと指のネイルも再現して欲しかったところ。これはやはり後から追加要素か。

浪さんに限らず、布袋劇の木偶様はお顔立ちはさまざまに異なれど、本当に皆さま美しい。

思えば一期を見るきっかけになったのも、たまたまザッピングしてて目に留まった兄上さまの美しさと、そこから爆散するまでの、見たこともない戦闘の映像ゆえだった。冒頭の数分見て、あとは違う番組を見るのに変えて、でも半月くらいして、「あの美しい、衝撃的な映像はなんだったんだろう? 」って思い出してそこから追いかけはじめたのがきっかけ。

ちなみに一期で一番美しいなと思って観ていたのは、蔑さまだった。ダークなビジュアルに、いかにもノーブルな悪役、って感じの動きの優雅さ。動きも表情もカッコいいと思っていたのは狩兄。凜さんはどうも、第一印象が「顔が人形だな。」だったので、衣装や動きは誰よりも綺麗だと思うけれど、今でも人形感が強い。いや、お人形なのでそれで間違いはないのだけどね。

それから霹靂ご本家の動画をいろいろ見始めて。劇集の木偶様方が、不思議なことに同じように人形なんだけど、「生きてる」っていう表情がすごいのに気づいて。二期が始まって浪さんを見たときにも、「生きている」美しさに驚いた。

それで思い出したのが、脳っていうのは、自然界の中に人の目鼻立ちに似た形があると、人の顔であると認識を強めやすい、っていう説。

ということは、より人間の顔のパーツの間隔、配置に近ければ近いほど、ひとらしく見えるってことだろうか。イラストから起こされた、中央にぎゅっと詰まった凜さんの顔が人形にしか見えず、面長なご本家の木偶様方や、モデルのいた浪さんが生き生きと見えるのはそのせいか。

殤さんはほうれい線と髭があるのと眉が太いので人っぽくも見えるし、目とその他のバランスから人形っぽくも見える。見ようによってはどちらか、って感じかな。だから、凜さんと並ぶと人形に見えるし、浪さんと並ぶと人っぽく見える。脳がどっちよりだと判断してみているかによるかも。

これが丹翡ちゃんや睦っちゃんになると、動きが少ないと完全に人形にしか見えない。これは逆にサンファンが、もったいないな、と思った部分だった。アニメっぽい顔立ちのほうが親しみがあっていい、と思ったのかもしれないけど、ひとのバランスに寄せたお顔のほうが感情豊かに見えるんじゃないかと。ただでさえお人形の顔はひとや、アニメキャラと同じようにはわかりやすく動かない。東離が演技上手なベテランの声優さんを多数起用するのも、感情表現の部分を補う役割があるんだと思ってるが、お人形から人の声が出るよりも、ひとに見えやすいものから人の声が出るほうが、なんというかうまく言えないけど、感情がより伝わりやすいんじゃないのかな。

ご本家なんかは口白師さんひとりなのに、セリフ回しと操演、演出、音楽で、角色の感情がしみじみ伝わってくるものな。あれは本当に不思議。

 

演技って、役者さんから一方通行のように見えて、実は自分の中に覚えのある感情だったり情緒だったりを投影して、理解できる要素をあてはめて、都合の良いように解釈してる部分もある。この芝居は、表情は、声は、きっとこういう意味だろう、とね。

だから、演者の喜怒哀楽表現が基準よりオーバー過ぎても違和感があるし、足りな過ぎてもそっけない。顔が動かないのに体の動きや声だけに大袈裟に芝居がついてもおかしい。心が絶妙に動かされる、ほど良いバランスっていうのはある。ひとでないものが、ひとのように台詞を語るのなら尚更に。

人形劇が好きではない、というひとは、その違和感や、長時間その違和感を味わう苦痛を苦手とするんじゃないかな、なんて思う。わからなくもない。まったく同じシナリオを人間と人形が演るのだったら、人間が演じるほうを観たい。そのほうが、わかりやすいから。いろいろ読み取る労力が少なくて済む。

でもそこが、霹靂布袋劇のすごいところで。ひとに限りなく近い、でもひとならざる美しさの木偶様が、違和感なく自然に見える、ほど良いバランスで、情緒豊かな演出で、操偶師さんの手によって芝居をしている。そこに剣戟なんかの超絶技巧も加わって、魅力的な画がたくさん出てくる。

だからつい、浪さんを見る度に、なんて美しいの、なんて自然なのっていうシンプルな感嘆ばかり浮かべてしまう。ゴティックメードのベリンの台詞さながらに。あのご本尊の持っている唯一無二の美しさは奇跡的なので、再現が難しくて浪さん木偶の販売はない、というのもじゅうぶん納得が行くのだった。