殤浪@サンファンドットコム

【Attention!】こちらはBL要素・18禁の内容を含みます。どうぞご注意下さい。Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 のキャラクターのカップリング推しの管理人、律による、腐向け二次創作記事中心のブログとなってます。

到福一天

大阪で開かれていた布袋劇オンリーイベント、到福一天。東京のイベントが中止になってしまったので、これが日本で初のオンリーになったようで。東離一期スタートから五年、日本での台湾人形劇の知名度が上がって来た歩みを見るようで、こんなご時世でなければ本当に一般参加したかった。不参加を決めたのは自分であるのに、このところ結構気分の落ち込みが激しい。通販のお慈悲ないかなぁ。

それでなくとも関東は梅雨明けして夏晴れ、そして体温調節下手にとっては夏バテからの脳が十分働かない季節到来で。この時期は一年で一番妄想に向いていない。

これから気分が上がりそうな楽しみといえば、八月末に発売予定の三期のビジュアルファンブックの発送と、九月末の殤浪エアオンリーと、同じく九月末の台湾版の三期円盤か。まだ二か月も先だけど、今から待ち遠しい。

 

個人的に東離三期の感想がどうも、手放しに面白かった、爽快だった、とならなかった原因は、いろいろ考えては見たものの。やっぱり自分は、物語において、

「外道の勝ち逃げ」

が好きではないからなのだろうと、そこに尽きる。

今回、外道筆頭の掠風竊塵の策が当たるばかりでお約束のざまぁが一切なく。浪パパンのべるたーんは息子に対してやりたい放題やるばかりで、ノンダメージで魔界で左うちわ。

猊下もまた自分の主張を言いたい放題言って、試してみたけど軍破使えなかったねぇとばかりに最後はあっさり始末。嘲風皇女も絶好調のまま。二期で仙鎮城で大虐殺を繰り広げた婁さんは、大元の主張を貫いて安定のハピエン。刑亥姐さんも策は失敗したものの、伯爵側近になる大出世でしれっと生き延びるし。完全にバドエンだったのはビョンホンと照ちゃんのみ。しかも二人とも、正道側に気持ち良く一刀両断されたわけじゃなくて、同じ外道の側にいる人間の手に掛かっているので、結局内輪もめでお弁当したに過ぎないというすっきりしなさ。

 

対して正道の側といったら。浪さんは徹頭徹尾苛め倒されるし、睦っちゃんとママンは酷い目に遭うし。さんざん空回りした軍破殿も最後は正道に立ち返るものの、燃やされるは腕取れるはアレだし。殤さんは最後の最後で嫁と離れ離れに。殤さんが白蓮さんに逢えたのは良かったけど、それ以外何にも救いがない、ダメージだらけの展開だった。

 

三期が面白かったという人は、「外道が勝ち逃げする」物語が好きなんだろう。そこはもう好みの問題なので、人それぞれで良しとして。

現実社会で、それこそ政治家だったり上級国民だったり、いろんな外道の勝ち逃げを見るにつけ、せめて架空の物語内では正道側にすっきりと勝って欲しいと願ってしまう。やっぱりそういう話のほうが、読んでいて楽しいし、見ていて楽しい性分。外道が勝ち逃げする話なんて、リアル社会だけで本当にもうお腹いっぱい。仙鎮城虐殺の婁さんのハピエンとか、正直腹が立ってしょうがない。他者と倫理観や価値観がずれているからといって、だから物語中で何をやっても許されるというのはやっぱり違うと思う。乱暴な言い方をすれば、狂人が殺人を犯しても罪に問われないのと同じ。それは今の日本の法律で許されているけれど、納得がいかない心情の人間は大勢いる。

 

ご本家様でも外道勝ち逃げの話はあるけれど、あちらは次の劇集までの展開が早くて、すぐに正道側の逆襲が見られるからそれでも痛快さを失わないのだと思う。こんな勝ち逃げされたままのもやもやした気分で、何年も待つというのがもう。待ったからといって次の四期が五期に向けて、また外道勝ち逃げにならないとも限らないし。なんというか本当に一期あたりと比べてすっきりしない。

だいたい首尾が一貫していない。仙鎮城虐殺の婁さんが媛とハピエンで、殺し屋だった無生さんが生死一劍で酷い目に合わされるって、罪過の嵩にどういう違いがあるっていうのだろう。苛めやすいキャラクターを選んで苛めている、という風にしか受け取れない。二期でいたぶられた蠍っちゃんしかり、三期で不当に光を奪われたママンや睦っちゃんしかり、最後まで心を踏みにじられるヒロインだった浪さんしかり。

そこは悔しいけれど当然のことながら本編に対しては受け入れる以外何も出来ないので。せめて自分が出来る範囲で不遇なヒロイン勢をハッピーにしたい。物語の中でまで、外道に好き勝手されてたまるか。それを許したら世の中本当に道も徳もない、真っ暗闇になってしまう。外道礼賛、外道讃頌な界隈よりも、やっぱり正道側に福が大手を振ってやって来る世界のほうがいい。