殤浪@サンファンドットコム

【Attention!】こちらはBL要素・18禁の内容を含みます。どうぞご注意下さい。Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 のキャラクターのカップリング推しの管理人、律による、腐向け二次創作記事中心のブログとなってます。

雷鳴の日にあなたと 二

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「浪浪のやつ、いったいどこへ隠れやがった。」

ぶつぶつと呟く殤殤に、隠密裏に動いていたねん殤が注進する。

「そっちの屏風の影にいるぞ。あと、家主に頼まれていた寝具を持って来た。敷き布団と枕と掛け布だそうだ。」

「おお、悪いな、俺。」

「いや。しかし、……派手だな。」

 

 

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ねん殤は布団敷を手伝うと、そそくさと自室へ戻って行った。

 

「これで逃げ道は塞いだな。いい加減腹をくくれ、浪浪。」

 

 

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寝巻に着替えた殤殤が待ち構えていると、しぶしぶといった風情で浪浪が出て来た。

「まさか本当に用意するとは。」

「昼抜きで二時間かかって縫ってたんだ。大事に使ってやろうぜ。」

「(大事に、って。汚すにきまっていようが。)」

 

◇◇◇◇◇

 

逃げたい、と浪浪は心底思った。

どれほど恋うても、決して自分のものにはならない相手だった。

今、たまさかその腕に身を委ねたとして。来月に傍らに寄り添うのが巫謠であるなら。それを喜びこそすれ、妬いたり羨んだりなどしてはならないのに。

このままでは、本当の自分に、巫謠に顔向けができなくなる。

(やはり、ならぬ。)

なんとか事態を回避する方法はないだろうか。最後に悪あがきをしてみる。

 

 

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「まて、不患。これでは表から丸見えではないか。」

「ん、ああ、そうだが。」

「天幕もないのに、落ち着いてことに及べるものか。気が散って集中できん。」

そう来たか、と殤殤はため息をついた。この期に及んで往生際が悪いことこの上ない。

どれほど大切に思っているか。言葉にして語るのは苦手だった。だから、触れて、熱を交わし合うことで伝えようと思っていたが。浪浪は受け止めてくれないだろうか。

 

その時、隣室から呼びかけるねん殤の声が聞こえた。

「言い忘れた。家主がカーテンを縫っていて、じきに届けるから、待っていてくれと。」

「は? 」

「おお、でかした。」

青ざめる浪浪と対照的に、殤殤はにこりとした。さすが、わかっていやがる。