殤浪@サンファンドットコム

【Attention!】こちらはBL要素・18禁の内容を含みます。どうぞご注意下さい。Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 のキャラクターのカップリング推しの管理人、律による、腐向け二次創作記事中心のブログとなってます。

2020-01-01から1年間の記事一覧

くーる、もうすぐくる

エア雷鳴の日に、僻地沼ならではの中二病的妄想劇をねん殤さんや自作浪浪で楽しんで、日頃の仕事やプライベートでのストレス&コロナストレスを大いに発散したわけなのだけれど。もうひとつ、いろんなものを吹き飛ばしてくれる嬉しいお知らせがグッスマさん…

雷鳴の日にあなたと ラスト

浪浪は耳が聡い。 眠っていても、周囲の気配を感じられる。 無理だと泣いても許しを請うても執拗に昂りを身の内に焼きつけられて、体はどろどろのくたくたになっていたとしても。耳だけは、もちろん普段に比べれば十分の一も働いていないけれども冴えていて…

雷鳴の日にあなたと 三

「すぐに届くかと思いきや、随分と時間がかかったじゃねぇか。」 寝台に張り巡らせるカーテンを持って来たねん殤に、殤殤が毒づく。 「そう言ってやるな。いろいろ資料を探したんだが、既にカーテンがついてる画ってのはたくさんあるんだがな、つける過程や…

雷鳴の日にあなたと 二

「浪浪のやつ、いったいどこへ隠れやがった。」 ぶつぶつと呟く殤殤に、隠密裏に動いていたねん殤が注進する。 「そっちの屏風の影にいるぞ。あと、家主に頼まれていた寝具を持って来た。敷き布団と枕と掛け布だそうだ。」 「おお、悪いな、俺。」 「いや。…

雷鳴の日にあなたと その一 

今日はエア雷鳴に続けの日。お祭りらしいことがこの僻地の沼においても、なにかできないかな、と考えていたのだけれど。先月からしばらく縫い物をしていなかったので、この日曜は久しぶりに縫い物がしたい。ということで。 本日はいちにち、しばらくねんどろ…

ハイアンドロー

嬉しいニュースと悲しいニュースをほぼ同時に知ったときというのは、いっぽうでふわぁっと舞い上がり、一方を思えば急激に駄々下がり、感情がものすごく疲れるものなのだなと。カルシウム錠剤を補給してちょっと落ち着こうとする。 嬉しい報せというのは、ド…

だんなさまの音 陸

幸いにも、飲酒運転の主は誠実な人物だった。軽率だったと平謝りに謝ったほか、退院するまで保険会社を通じて幾度も連絡を寄こしたので、殤も怒るに怒れない。ましてや浪は、自分も避けきれなかったからと入院中は淡々と事態を受け止めていた。外傷が少なく…

花より他に

その後も天命や天工詭匠が聆牙に毒物について尋ねたが、琵琶は殤に答えたと同様に、朝になったらけろりとしている、と繰り返すばかりだった。誰よりも主人思いの人格をもった浪の愛器に、それ以上たてつく者もおらず、一同は気が気でないままに自然回復を待…

花の落つるところ

突然、微かな呻き声を漏らしながらもがき苦しみ始めた浪の体を抱いて、殤はおろおろと視線を彷徨わせる。どこにも気配は感じないが、謎の半紙が落ちて来たのを考えれば、空間に繋がりがあると考えるのが筋道だ。 「天命! じーさん! どっかで見てんだろう?…

ところかわれば花変わる

東離の公式Facebookに、今まで見たことがなかった美しい花を背に映る浪さんの姿が。 台湾では卒業シーズンの六月に咲くという、学校等にたくさん植えられている鳳凰木という木の、赤い鳳凰花らしい。マダガスカル原産で熱帯に多く繁殖するこの花は、ほとんど…

だんなさまの音 伍

見知らぬ白い天井。キーンと、飛行機が飛び続けるように続く耳鳴り。消毒液の匂い。突然変わった景色に、浪は面食らう。さっきまでエコバックを下げて歩いていたのに、なにがあった。 スーパーで買い物を済ませ、店を出たはずだった。路地からマンションの前…

だんなさまの音 肆

「俺は、自分の食べたいものも食べさせてもらえないのか? 」 薄々、いつかは言われる言葉だとは浪は思っていた。 実際に言われてみると槍のように心臓を刺して、床に突き刺さって、まばたきもできなくなった。 げふ、こふ、と小さなげっぷの音が聞こえた。 …

だんなさまの音 参

ぎし、ぎししっ。 ぎし、がっ。 最初浪は、それが何の音なのかよくわからなかった。が、音の出どころを追って行けば、洗面台で、旦那様が白髪交じりの黒髪をブラシでといている。 長くてさらさらで、肌に触れるとひんやりとしてどきりとする。浪は殤の黒髪が…

だんなさまの音 弐

またある日のことだった。 ただいま、と帰って来た旦那様の足音が、いつもより重い。と、と、と、ぐらいのリズムの足音が、どた、どた、どた、と聞こえる。 浪の前では仕事で疲れた顔を見せない旦那様だけれども、ああ、お疲れなんだな、とすぐにわかる。 外…

だんなさまの音 壱

浪巫謠は耳が良い。 どのくらい良いかといえば、隣で寝ている旦那様の心音が、直に耳を当てずとも聞こえるくらいだ。 そっと、そうっと。昨日も遅くまで残業だった旦那様の寝息を乱さぬよう、忍び足で浪はふたりの愛の巣であるダブルベッドを抜け出す。髭の…

本当なら今月は

六月突入。緊急事態宣言が解除されたうちの田舎は、お店が再開されたけれど用心深いのか慎重なのか、夜はまだ閑散としていて、まだまだコロナの影響は大きいんだなと実感している。 本当なら今月の十四日は、遊びに行くのを楽しみにしていた布袋劇オンリーイ…

五月の裁縫進捗状況

気がつけばあっという間に五月も終盤で、来月には予定通りならばねんどろの浪さんをお迎えできる日が来る。 殤さんと浪さんの服を作りたいと一念発起して、一月から始めたお裁縫。まだあと五か月もあるーなんてちょっと余裕でいた頃が懐かしい。ほんとに、五…

白い鶯

西幽玹歌で、お前はわたしの鶯だ、と宣言された浪さんですが。どうもウグイスといえばウグイス色、くすんだ灰のような緑がかった茶色のような、見た目じじくさく、ぱっとしないイメージの鳥であり。オレンジ髪で真っ白な服を着ている浪さんの容姿と比較する…

人生なにが吉と出るか

西幽玹歌の発売延期からこっち、ずっと楽しみに待ち続けた約ひと月。 普段アニメ等のDVDを買うことはないので、どこで予約をしようかと迷い、結局アニメイトさんで頼んでいたのだけれど。 発売日の前々日になっても、前日になっても、ましてや当日になっても…

こんなにわくわくする課金があろうか

先日、YouTubeの霹靂さんのチャンネルで、有料メンバー会員の募集があり。それを見つけてすぐ迷わずに課金をした。 だって、霹靂社さんにお布施をしたくとも今までは台湾から出ているグッズを買うぐらいしかできなかったし。霹靂のファンクラブは日本からの…

ひとりよりふたりで

泣いていた少女の震えが、次第におさまっていったのを見て、少しは落ち着いたのかと安堵する。ポケットのチーフを取り出して目元を拭いてやれば、浪はまたごめんなさい、と繰り返した。綺麗な緑の眼のふちがすっかり赤くなっている。 きちんと反省している人…

ただひとり愛するひとと

「……殤、先生、」 驚き過ぎて体が動かなかった。座ったまま、声の主が近づいてくるのを浪は呆然と待つ。 「隣、いいか。」 今日の殤は、いつものジャージ姿ではなくきちんとした三つ揃えのスーツを着て、ポケットにチーフを入れていた。ぼさぼさの髪も後頭部…

踊るときはわたしがえらぶ

「さすがは浪だ。あいつら、お前さんをこてんぱんにしたかったらしいが、はしごを外されておろおろしていたぜ。かえって痛快だったな。」 バイオリンケースに収めたままの聆牙が得意げに言う。 浪の答えはない。もともとコンクールに出る気も、売られた喧嘩…

踊るときはわたしが

威勢のいいことだ、と教師用の席から殤は、他の生徒達と同様に生徒会長のほうを見つめていた。 ステージの上では審査員長がマイクを握り、慌てた素振りで呼びかける。 「これは厳正な審査の結果である。君はいったい何を言いだすのだ。」 「なにが厳正なもの…

踊るときは

音楽コンクールも全ての演目が終了し、いよいよ結果発表を待つばかりとなった。ステージ上には審査員達が集まり、それぞれ審査用のタブレットを持って小声で議論を交わしている。透明性を保つために、最後の審査は壇上で行う決まりになっているのだが、ここ…

あなたに捧げるうた

客席で聞いているだろうそのひとに、届けと思いを込めて歌われる歌の、語尾に矢羽が生えたるごとし。浪のソプラノ音域の声は、この世のものとは思えない水鏡の透明度をもちながらも、その言の葉のまとう音の粒はひとつひとつくっきりと明らかな輪郭で、向か…

ティザー

TBFPツイや東離公式Facebookをのぞいたら、東離三期のティザーPVが公開されていて、え、今って何月だっけ、とびっくりして思わずカレンダーを見てしまった。霹靂さんのニュースでは今年秋に放映、となっていて、秋っていうとだいたい十月頃をイメージしてい…

挽歌

持ち時間はひとり5分まで。一曲を丸々弾いてもいいし、その枠に収まるようアレンジしても、自作曲でもいい。楽器もなんでもよく、ピアノ、パーカッション、ハープのように大型のものも可能だ。楽器が出来ない者は、ステージにあるマイクを使って歌を歌うこ…

音楽コンクール

学園内のあちこちから楽器の音色がいくつも聞こえる。屋上や庭、休憩スペースなどで、学生達が練習に励んでいる。 「そろそろコンクールの時期だな。エントリーするのか? 」 手にしていたバイオリンの言葉に、浪は首を振った。 「競い合いは懲り懲りだ。わ…

ヒロイン登場

捻じ曲げてしまったところは全て正す。バイオリンにそう語った通り、浪は親と理事長に頼み込み、殤を管弦楽部の顧問から剣道部の顧問へと戻した。突然の決定に殤は戸惑ったが、振り回された怒りよりも、元に戻った安堵感のほうが強かった。クラス担任は相変…